月命日

父と墓参、「こころ」の一節がよぎる。

「あなたは死という事実をまだ真面目(まじめ)に考えた事がありませんね」といった。私は黙った。先生もそれぎり何ともいわなくなった。

そのあと、祖母と面会、ケアマネージャーから説明をうける。百一歳と一言でいえば簡単ですが、漱石と同時代を生きて戦火を潜り抜けて生きてきたことを思うに、気が遠くなるのでありました。

未だ生を知らず。焉んぞ死を知らんや。

時の経つのが早いのか遅いのかよく分からなくなりました。